FDI企業へ影響を与える新しい付加価値税の分析および評価
Value Added Tax(VAT)としても知られてる付加価値税は生産、流通、消費までの過程で生じる商品やサービスの付加価値に対して課される税種である。これは、ベトナムの税制において特に外資系企業(FDI)にとって重要な税金の1つである。VATに関する規制は運営コストに影響を与えるだけででなく、企業の競争力とビジネス効率にも影響を与える。ベトナム政府が管理し、透明性を強化し、経済発展を支援するために税務政策を継続的に更新し、完成させる中、付加価値税の新たな変更はFDI企業にとって機会と問題の両方を生み出している。
最近、国会は2025年7月1日から発効する付加価値税(VAT)に関する法律を正式に可決した。現在の規制と比べて、2024年VAT法には多く変更がある。本稿では、FDI企業に適用されるVATに関する新たな点を分析し、これらの変更の影響を評価し、FDI企業が新しい政策に適応し、その利点を最大限に活用するための推奨事項を提供する。
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VATの非課税対象について
VAT法では、輸出製品は天然資源および鉱物から加工された商品であり、天然資源および鉱物とエネルギーコストの合計額51%以上を占めるものであり、付加価値税の対象外と規定されている。従って、FDI企業は政府が規定するリストに基づいて計算する必要があり、これまでのようにコストや価格の比率に依存する必要はない。
- 非課税対象への追加
- 非関税地域内の企業への金融リースのために直接非関税地域に輸送される金融リース会社によって海外から輸入された商品
FDI企業は、金融リース会社からリースされる商品に対して仕入れ付加価値税が課税されなくなる。これは、FDI企業の財務コストを削減し、資本利用効率を向上させるのに役立つ。この規制は、税制上の優遇措置とコスト削減のおかげで、FDI企業が非関税地域を選択して投資することを奨励し、ベトナムの経済特区、工業団地、輸出加工区の開発促進に貢献する。
- 政府の規制に従って、災害、自然災害、伝染病、戦争の影響の予防、管理、克服を支援し、応援するための輸入品
FDI企業がベトナムでの社会活動に貢献することを奨励し、FDI企業が社会的に責任をより効果的に果たすよう働きかけるとともに、地域社会でのイメージと評判を向上させ、緊急の社会問題の解決におけるFDI企業と政府の協力を奨励する。
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輸入品、プロモーションに使用される商品およびサービスの課税価格に関する規制の改正および補足
2.1 輸入品の課税価格に関する規制の改正
- 現在、2008年VAT税法第7条では、次のように規定されている。
輸入品の課税価格=国境ゲートでの輸入価格+輸入税(該当する場合)+特別消費税(該当する場合)+環境保護税(該当する場合)
この内、国境ゲートでの輸入価格は、輸入品の課税価格に関する規定に従って確定される。
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2024年VAT税法第7条では、次のように規定されている。
輸入品の税額計算額=輸出入税法による輸入税計算額+輸入税+法律の規定による追加輸入税(該当する場合)+特別消費税(該当する場合)+環境保護税(該当する場合)
FDI企業は実施にあたって、この点に注意する必要がある。
2.2 プロモーションに使用される商品およびサービスの追加課税価格
- 2024年VAT法第7条1項のcに、次の規定が追加された。商法の規定に従って、プロモーションに使用される商品およびサービスの課税価格は0である。
- 現行のVAT法には、プロモーションに使用される商品やサービスの課税価格に関する規制がない。FDI企業は課税価格に関する規制を確実に遵守するために、プロモーション戦略を見直し、調整する必要がある。
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一部の商品およびサービスの税率の調整
VAT法第9条は、一部の商品およびサービスの税率を次のように調整する。
3.1 税率0%を適用する科目の追加
- 国際輸送
- 海外の非関税地域での建設および設置作業工事
- 検疫エリアで出国手続きを完了した個人(外国人またはベトナム人)に販売された商品、免税店で販売された商品
- 輸出サービスにはベトナム領土外で使用される車両レンタルサービス、国際輸送のために直接、または代理店を通じて提供される空港業界および海事業界のサービスが含まれる。
3.2 5%の税金がかかるようになる非課税商品
- 肥料
- 海洋の水産物を利用する船舶
3.3 10%の税金がかかるようになる税率5%適用されている商品
- 未加工の林水産物
- 砂糖、糖蜜、サトウキビバガス、泥残留物などの砂糖製造の副産物
- 教育、研究、科学実験に使用される専用の器械と道具
- 文化活動、展示会、体育、スポーツ、舞台芸術、映画製作、映画の輸入、配給、上映
- FDI企業は、仕入れコストの削減による恩恵を受けることになる。これは競争力の向上に役立ち、FDI企業の製品やサービスは販売価格を下げたり、利益を増やしたりすることが出来る。逆に、より高い税率の対象となるグループ内の商品やサービスを輸入または国内から購入するFDI企業は、生産コストや事業コストの増加に直面し、製品価格に影響を与えたり、利益が減少したり、市場での競争力が低下したりする可能性がある。ベトナムに投資している、またはこれから投資するFDI企業は、特に税率変更の影響を強く受ける業界では、投資計画を再評価する必要がある。
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仕入れVATの誤り申告の際の詳細案内
- 以前は、事業所が申告・控除した仕入れVATに誤りが発覚した場合、2008年VAT法では、税務局が納税者の所在地で税務調査、税務チェックの決定書を発行する前に、追加申告・控除をするように納税者に指示するだけであった。(đ点)
- 2024年VAT法第14条1項のđの新規定によると、事業所が申告・控除した仕入れVATに誤りが発覚した場合、税務局が税務調査、税務チェックの決定書を発行する前に、以下のように申告を修正することが出来る。
+ 納税者は仕入れVATが誤った月または四半期の税務申告により支払うべき税額が増加するか、還付可能な税額の減少する場合、その月または四半期に追加の申告を行う。納税者は増加した納付すべき税額を全額支払うか、相応の還付済みの税額を取り消してもらい、国家予算に延滞利息(該当する場合)を支払わなければならない。
+ 納税者は仕入れVATが誤った月または四半期の税務申告により支払うべき税額が減少するか、控除が可能なVAT額が増減したりした場合、その月または四半期に追加の申告を行い、控除が可能なVAT額は翌月または翌四半期に行う。
このような詳細案内により、FDI企業は仕入れVAT申告の誤りが発覚した場合に、その対処方法について混乱することが少なくなる。
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仕入れVATの控除条件の変
5.1 2,000万ドン未満の商品やサービスの購入には、非現金の支払い証憑類が必要
- 以前は2008年VAT法第12条2項およびVAT法案内に関する通達219第15条2項によると、仕入れVATの控除条件は次の通りである。
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+インボイスに従って毎回購入される商品およびサービスの合計金額がVATを含む価格で2,000万ドン未満である場合を除き、2,000万ドン以上の購入商品およびサービス(輸入商品を含む)に対する現金以外の支払証憑類を用意する必要がある。現金以外の支払証憑類には、本条3項と4項で説明されている銀行支払証憑類およびその他現金以外の支払証憑類が含まれる。
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しかし、2024年VAT法第14条2項のbによれば、政府の規制による一部の特定な場合を除き、購入した商品およびサービスには現金以外の支払証憑類が必要である。従って、2024年VAT法では、支払形式のコンプライアンスを確認するために、2,000万ドン以上または2,000万ドン未満のVATインボイス上の支払総額の制限が撤廃された。
現時点では、現金以外の支払証憑類が不必要な特定な場合に関する詳細案内文書はまだ出ていない。 - これまで、2,000万ドン未満の取引では、FDI企業は現金で支払うことができ、現金以外の支払証憑類を用意する必要がない。しかし、2025年7月1日以降、FDI企業は現在の支払プロセスを見直し、調整し、少額の取引であっても、すべての取引が非現金チャンネルで実行されるようにする必要がある。事業活動では特に日々の運営コストなど、小規模な取引がよく発生する。現金以外の支払証憑類を要求すると、証憑類処理や支払い照会などの管理作業が増える可能性がある。FDI企業が2,000万ドン未満の取引に対する現金以外の支払証憑類を用意しなければ、仕入れVATを控除できず、事業コストが増加してしまうことになる。
5.2 仕入れVATの控除を受けるための書類の追加
2024年VAT法第14条2項のcによれば、仕入れVATの控除の対象となるいくつかの書類を追加した。それにより、輸出される商品およびサービスについては、外国取引先と販売、商品加工、サービス提供に関する契約を締結するなどの現行法で規定されている条件に加えて、商品の販売およびサービス提供の請求書、現金以外の支払証憑類のほか、梱包明細書、船荷証券、貨物保険書類など(該当する場合)も必要である。これも現行法に比べて新たな規制である。
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税還付のケースの追加
- 2024年VAT法第15条により、以下の税還付のケースが追加された。
VAT率5%が適用される商品の生産およびサービスの提供のみを行う事業所には、12ヶ月または4四半期を通じて控除し切れない仕入れVAT額が3億ドン以上の場合、VATの還付を受ける権利がある。
- この規制により、税率5%の対象となる製造業またはサービス提供を行うFDI企業グループは、仕入れVATの全額を控除するのに、売上が大きくなるまで待つ必要がなくなり、代わりにFDI企業はより早く税金の還付を受けることができるようになる。税率5%の対象となる製造業またはサービスは、多くの場合、農業、医療、教育、再生可能エネルギーなど、政府によって奨励されている分野である。新しい税還付の規制は、これらの事業分野を営んでいるFDI企業が税金コストを削減するのに役立ち、それによってベトナムのサプライチェーンにおける投資を促進し、価値を高めることが出来る。しかし、企業は税還付の要件を満たすために、有効な記録および書類を確保する必要がある。税務申告に誤りがある場合や書類が不足する場合は、税還付の権利が失われたり、行政処罰が科される可能性がある。
要約すると、VATの変更はFDI企業に機会と課題の両方をもたらす。この中で、企業が税制上の優遇措置を最適化し、市場での競争力を維持するには、新しい規制を理解し、遵守することが鍵となる。同時に、税務管理における慎重な準備および積極性はFDI企業が新しい法的要件に適切に対応するのに役立つ。
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