事業協力契約実行時外国企業に向ける手続き及び注意点

事業協力契約実行時外国企業に向ける手続き及び注意点

提出日: 29/05/2025 04:29 PM

     

    事業協力契約実行時外国企業に向ける手続き及び注意点

     

    現在の国際経済統合の動向において、事業協力契約(BCC契約)という投資形態選択するのは、外国企業が新たな法人を設立することなくベトナム市場に参入できる効果的な手段です。しかし、実施過程における合法性と効果を確保するためには、法的規定を完全に遵守し、重要な注意点を十分に認識することが不可欠な要素です。本記事では、事業協力契約(BCC契約)に関する基本情報、外国企業向けの必要な法的手続きのガイド、およびこの契約を締結する際に企業が注意すべき点を提供し、外国企業がBCC契約を円滑かつ安全に展開できるようサポートすることを目的としています。

    1.事業協力契約実施の外国企業に関する概要

    1.1 概念

     

    BCC契約については、2020年投資法第3条第14項の規定に従って、BCC(英語でBusiness Cooperation Contractといいます)という契約は事業協力契約を省略する言葉で、法律の規定に基づき、経済組織を設立せずに、投資家同士が事業協力を行い、利益や製品を分配することを目的として締結される契約です。

    外国企業に関して、本記事の範囲において、外国企業とは外国法律通り設立され、ベトナムで事業協力契約(BCC)を締結・実施し、投資や事業活動を行うことを希望する企業を意味します。そのため、2020年投資法第3条第19項に基づき、外国企業は外国投資家と見なされます。

    1.2 BCC契約の形式による外国投資企業に関する規定

     

    2020年投資法第21条の規定により、事業協力契約(BCC契約)はベトナムの法律が認める5つの投資形態の1つです。この投資形態は、商業やサービス分野で広く利用されており、新たな経済組織を設立することなく、参加者が協力の利点を最大限に活用することを許可します。

     

    外国企業にとって、2020年投資法第27条には、BCC契約は国内投資家と外国投資家の間、もしくは外国投資家同士で締結できることを規定しています。しかし、BCC契約書を締結できるために、外国企業が現行規定通り投資登録証明書を申請する手続きを行う必要があります。


    1.3 ベトナム法律に基づくBCC契約の内容

     

    2020年法律法第28条に基づき、BCC契約に記載される主要な内容は以下通りです

     

    • 契約参加者の名称、住所、および権限を有する代表者の情報、取引先住所または投資プロジェクトの実施場所
    • 経営投資活動の目標と範囲
    • 契約参加者の出資額および投資成果の分配方法
    • 契約履行の進捗と期限
    • 契約参加者の権利と義務
    • 契約内容の修正、譲渡、終了の規定
    • 契約違反に対する責任および紛争解決方法

    外国企業は契約を締結する際、ベトナム法に違反しない限り、他の当事者との間で別の内容について合意する権利があります。

    2. 外国企業に対するBCC契約方式で投資する手続き

    2.1 ステップ1:BCC契約締結

    外国企業は、パートナー(ベトナムの投資家および/または外国投資家)とBCC契約を締結する際、協力の目的、出資、権利と義務、成果の分配、および法令に基づくその他の関連条項を明確に定めます。

     

    2.2 ステップ2:投資方針の承認申請(投資方針承認が必要な投資プロジェクトに向けます。) 

     

    a,投資方針の承認および承認権限が必要な場合

    • 2020年投資法第30条、第31条、第32条に規定され、国会、政府首相、省レベル人民委員会の権限により分類されるプロジェクトは投資方針承認を申請する対象になります。
    • しかし、権限のある機関の代わりに他の権限期間が投資方針の承認を行う場合もあります。具体的には、上記に述べた省レベル人民委員会の権限を受ける一部のプロジェクトに対して、産業団地、加工貿易団地、高度技術団地、経済区内で実施され、適切な計画が権限を有する機関により承認されている場合、産業団地、加工貿易団地、高度技術団地、経済区の管理委員会が投資方針を承認します。

    b,投資方針承認の申請書類

    • プロジェクトを承認されない場合における全部の費用、発生リスクに関する誓約を含める投資プロジェクト実施申請文書
    • 投資家の法的な資格に関する書類
    • 少なくとも以下のいずれかの書類が含まれる投資家の財務能力を証明する書類:投資家の直近2年間の財務諸表、親会社の財務支援に関する誓約書、金融機関の財務支援に関する誓約書、投資家の財務能力に関する保証書、投資家の財務能力を証明するその他の書類
    • 投資プロジェクトの提案には、以下の主要な内容が含まれます。
    • プロジェクト実施場所、実施期限、
    • 建設法には予備的実現可能性調査報告書の作成が求められる規定がある場合、投資家は投資プロジェクト提案書の代わりに予備的実現可能性調査報告書を提出することができます。
    • 国家による土地の譲渡、賃貸、または土地使用用途変更の許可を求めない投資プロジェクトである場合、土地使用権に関する書類の写し、または投資プロジェクトを実施する場所の使用権を特定する他の資料を提出します。
    • 技術移転法の規定に基づき、技術の評価および意見収集が必要とされるプロジェクトに対する投資プロジェクトで使用される技術の説明内容
    • BCC契約
    • 法律規定(あれば)通りの投資プロジェクト、投資家の条件、能力に関する要件にかかる他の資料

    c,投資方針承認の手続き

    • 国家により承認を受けるプロジェクト
    • 計画投資省に20件の書類を提出します。
    • 全部書類提出後15日間以内に、計画投資省は政府首相に国家審査委員会を設立することを報告します。
    • 90日間以内に、国家審査委員会は書類を審査し、政府に審査報告書に提出します。
    • 国会の開催日から遅くとも60日前までに、政府は投資方針承認のための資料を作成し、国会の審査機関に送付しなければなりません。
    • 関係のある政府、機関、組織、個人は審査用の情報、資料を十分に提供し、国家の審査主催機関から出した要求に応じて投資プロジェクトに関する問題を説明する責任を負います。
    • 国会は投資方針承認に関する国会決議を検討し認可します。
    • 政府により承認を受けるプロジェクト
    • 計画投資省に8件の書類を提出します。
    • 全部書類提出後03日間以内に、計画投資省は関連する政府機関に審査意見を求めるための書類を送付します。
    • 書類を受領してから15日間以内に意見を求められた機関は、自らの政府機関の管轄に関する内容についての審査意見を計画投資省に送付します。
    • 書類を受領してから40日間以内に計画投資省は書類を審査し、報告書を作成し、投資方針承認を受けるために政府首相に提出します。
    • 政府首相は投資方針を検討し、承認します。
    • 省レベル人民委員会により承認を受けるプロジェクト
    • 計画投資省に4件の書類を提出します。
    • 適正な書類を受領してから3日間以内に、投資登録機関は、予定されているプロジェクトが実施される地方の各局及び各級のの行政機関、及びその国家管理機関の管轄に関する内容について意見を求めるために関係機関に書類を送付します
    • 投資登録機関の申請を受領してから15日間以内に、意見を求められた機関は、自らの政府機関の管轄に関する内容についての審査意見を投資登録機関に送付します。
    • 適正な書類を受領してから25日間以内に、投資登録機関は審査報告書を作成し、省レベル人民委員会に提出します。
    • 書類、審査報告書を受領してから7日間以内に、省レベル人民委員会投資案件に対する投資方針承認を検討します。
    • 工業団地、輸出加工区、高度技術区、経済特区の管理委員会の権限に属するプロジェクトの場合
    • 工業団地、輸出加工区、高度技術区、経済特区に4件の書類を提出します。
    • 適正な書類を受領してから03日間以内に、工業団地、輸出加工区、高度技術区、経済特区の委員会は、関係機関にその機関の管轄に関する内容についての審査意見を求めるための書類を送付します。
    • 工業団地、輸出加工区、高度技術区、経済特区の委員会から申請書を受領してから15日間以内に、意見を求められた機関は、自らの政府機関の管轄に関する内容についての審査意見を工業団地、輸出加工区、高度技術区、経済特区の管理委員会に送付します。
    • 適正な書類を受領してから25日間以内に、工業団地、輸出加工区、高度技術区、経済特区の委員会は審査報告書を作成し、投資方針承認を決定します。

    2.3 ステップ3:投資登録証明書の申請

    a, 権限

    • ケース1工業団地、輸出加工区、高度技術区、経済特区の委員会は工業団地、輸出加工区、高度技術区のインフラ整備および経済特区内の機能区の建設と運営に関する投資プロジェクト、及び工業団地、輸出加工区、高度技術区、経済特区内での投資プロジェクト(以下のケース1を除く)に対して投資登録証明書を交付します。
    • ケース2:計画投資省は、工業団地、輸出加工区、高度技術区、経済特区外での投資プロジェクト(以下のケース3を除く)に対して投資登録証明書を交付します。
    • ケース3:投資家が投資プロジェクトを実施する場所、または投資プロジェクトを実施するために運営オフィスを設置または設置予定の計画投資省は、次の投資プロジェクトに対して投資登録証明書を交付します。
    • 2つ以上の省レベルの行政単位で実施される投資プロジェクト
    • 2つ以上の省レベルの人民委員会の承認を得る場合、計画・投資省の提案に基づき、政府首相は、投資家が投資プロジェクトを実施する場所、または投資プロジェクトを実施するための事務所を設置するまたは設置予定する省または中央直轄市の計画・投資省に対して投資登録証明書を発行するよう指示します。

    b, 提出書類

    • 投資方針承認を得るプロジェクト:投資方針承認申請書類のみを準備します。
    • 投資方針承認を得ないプロジェクト:2.2b条項に記載されている投資方針承認を申請する書類と同様です。活動を開始した投資プロジェクトについて、投資プロジェクトの提案に対してプロジェクトを開始した時点から投資登録証明書の発行を申請した時点までの活動状況報告書で代わります。

    c, 対応手続き

    • 投資方針承認を得るプロジェクト
    • 投資方針承認を得る同時に投資家の承認も得て、かつ投資登録証明書の発行対象となる投資プロジェクトについて、投資方針承認決定書および投資方針変更承認決定書に基づき、登録機関は、投資方針承認決定書および投資方針変更承認決定書を受領した日から5営業日以内に、投資登録証明書を発行または修正します。 
    • 投資方針が承認され、かつ投資家が入札または競売で選定された投資プロジェクト、そして投資法第29条第3項に基づき投資家の承認が必要であり、投資登録証明書の発行対象となるプロジェクトについては、投資家は投資登録証明書の発行を申請する文書を投資登録機関に提出し、投資登録機関は、申請文書を受領した日から5営業日以内に投資登録証明書を発行します。
    • 経済区管理委員会で承認される投資家対象に該当する投資プロジェクトについては、経済区管理委員会が投資家を承認することを決定すると同時に、投資登録証明書を発行します。
    • 投資方針承認を得ないプロジェクト
    • 投資家は国家投資情報システムで投資プロジェクトに関する情報をオンラインで申告します。
    • オンライン申告後15日間以内に、投資家は投資登録機関に1式の書類を提出します。
    • 適正な書類を受領した日から15日間以内に、投資登録機関は次の条件に満たすプロジェクトに対して、投資家に投資登録証明書を発行します。

    2.4 ステップ4:プロジェクト履行のための資金  

    • 投資登録証明書の発行後、外国企業は、投資活動を行うために、BCC契約で約束した期限内に資本拠出を行う必要があります。具体的には、2019年発行のベトナム国家銀行の省令第06/2019/TT-NHNN号第5条第1bの規定に従い、外国企業は認可銀行で外貨建ての直接投資資本金口座を開設し、ベトナム国内での外貨を用いた投資活動に関する合法的な収入や支出の取引を管理する必要があります。
    • ベトナムドンで投資を行う場合、外国企業は、すでに外国通貨建ての直接投資資本金口座を開設している認可銀行において、ベトナムドン建ての直接投資資本金口座を1つ開設することが認められます。この口座は、ベトナムでの外国直接投資活動に関する合法的なベトナムドンでの収入および支出の取引を実行するために使用されます。
    • 多数のBCC契約書を締結している外国について、それぞれの契約書ごとに個別な直接投資資金の口座を開設しなければなりません。

    2.5 ステップ5:BCC契約調整委員会設立

    • 2020年投資法第273項の規定に従い、BCC契約締結後各当事者はBCC契約を履行するために調整委員会を設立します。
    • BCC契約締結後調整委員会の設立は必須条件となります。委員会の機能、役割、権限については、契約当事者間で合意されます。一般的に、調整委員会はBCC契約に参加する各当事者の代表者で構成され、そのメンバー数や具体的な構成は当事者間の協議に基づいて決定されます。
    • 調整委員会の義務はプロジェクト進捗管理、資本管理、成果の分配、発生問題への対応、契約書履行状況報告等の問題点に関する責任を負担します。
    • 各当事者は、契約実行中の対立を避けるために調整委員会のメンバーに対する役割を明記しなければなりません。また、調整委員会の活動範囲が契約で合意された条項を超えず、法的規定に適合することを確認する必要があります。

    2.6 ステップ6:運営事務所の設立(必要に応じて)

     

    契約を実行し、事業活動を円滑に運営するために、BCC契約に参加する外国(ただし必須なし)はベトナムで運営事務所を設立できます。BCC契約を締結する外国の運営事務所は印鑑を所有し、銀行口座の開設、雇用、契約締結、BCC契約及び運営事務所設立の登録証明書に規定された権利及び義務の範囲で事業を活動できます。

    • 権限内容:運営事務所を設置する予定地における投資登録機関
    • 提出書類
    • 運営事務所を設立する登録書類:BCC契約を締結する外国のベトナム駐在事務所(あれば)の名称と住所、運営事務所の名称と住所、その事務所の事業内容、期限、活動範囲、運営事務所の所長の氏名、住所、身分証明書の番号、個人証明書又はパスポート
    • BCC契約における外国企業の運営事務所設立に関する決定書
    • 運営事務所の所長の任命書の写し
    • BCC契約書の写し
    • 対応手続き
    • 運営事務所を設置する予定地における投資登録機関への提出
    • 受理担当者は書類のリストを確認します。書類が完全かつ適切であれば、書類を受理し、外国企業に対して書類受領証/受領確認書を発行します。書類が不完全または適切でない場合、受理担当者は外国企業に対して必要な手続きを案内し、不足している書類を補完して完了するよう指導します。
    • 書類を提出した日より15日間以内に投資登録機関はBCC契約を締結する外国企業に運営事務所の活動登録証明書を発行します。

    3. 外国企業に対するBCC契約締結時の注意点

    • 公証認証に関しては、免除される場合を除き、外国企業の法的地位に関連するすべての書類(個人認証書類や経済団体の設立・運営に関する証明書など)は、ベトナムで使用する際に公証認証を受けなければなりません。そのため、外国企業の書類が有効であり、BCC契約の締結および実施が法令に基づいて行われることを保証するために、事業許可証、投資家の法的地位証明書、または個人認証書類は、投資家が所属する国またはその経済団体が所在する国のベトナム外交機関で公証認証を受ける必要があります。
    • BCC契約履行中に、契約を締結する外国企業は、ビジネス協力から生じた資産を利用して、法令に基づき企業を設立することを合意する権利を有します。ビジネス協力から生じた資産を基に企業を設立する場合、その設立は2020年の企業法に基づいて行われます。
    • 法人を設立せずにBCC契約で投資する場合、管理や運営にある程度で制約があります。詳細には各当事者は独立した法的地位を維持しますが、共通の法人がないため、プロジェクトの調整や、投資活動、資産管理、利益分配、第三者との取引における法的地位が複雑になります。その理由で、外国企業は契約書で権利・責任の分担を明確にし、紛争を避けるために詳細な規定を設ける必要があります。具体的には、BCC契約の条項には管理、運営、税金の支払い義務、利益分配、紛争解決メカニズムについて規定することが求められて、慎重に構築されるべきです。 
    • 本記事は、ベトナムでBCC契約に参加したいと考える外国企業(海外で設立・運営されている企業)に対して適用されるガイドラインです。
    • FDI)企業がBCC契約を締結したい場合、その企業は、外国投資家と同様の投資条件を満たし、必要な手続きを実施するかどうかを自己確認する必要があります。(外国投資家と同様の投資条件を満たし、手続きを実施する場合とは、次のような場合です:(i) 外国投資家が50%以上の株式を所有している、または合名会社において外国人のメンバーが多数を占めている場合;(ii) 上記のa項に記載された経済団体が50%以上の株式を所有している場合;(iii) 外国投資家とa項に記載された経済団体が合計で50%以上の株式を所有している場合)。もし該当する場合、そのFDI企業は、上記で説明した外国企業と同じように、条件を満たし、手続きを実施しなければなりません。

     

    BCC契約による投資は、外国企業が新たに法人を設立せずに、ベトナムでの事業展開を進める効果的な投資方法です。しかし、この形態は法的な要求を伴い、契約の締結から投資手続き、出資、事業運営の管理に関する規定の遵守まで、厳格な法的要件が求められます。したがって、BCC契約を実施する外国企業は、現行の法規制を十分に理解し、法人を設立しない場合の法的影響について認識し、投資プロジェクトが合法的かつ効果的に進行するように必要な書類を準備する必要があります。

     

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