電子識別システムおよび企業への影響 (パート2/2)

電子識別システムおよび企業への影響 (パート2/2)

提出日: 28/08/2026 05:31 PM

    3. 企業に対する推奨事項

    企業の電子識別および電子識別アカウントの取得を適切に実施するとともに、法定代表者を変更する場合におけるアカウントの管理・利用権限の付与および引継ぎを適切に行うため、企業は以下の対応を行う必要がある。

    3.1 企業の電子識別および電子識別アカウントの取得

    ・企業がまだ電子識別を実施していない場合、企業の法定代表者は、本稿第II部第2項(a)に記載した法的リスクを回避するため、速やかに電子識別および企業の電子識別アカウントの取得手続きを行う必要がある。

    3.2 企業の電子識別アカウントの分類、管理および利用に関する社内規程の策定

    ・企業の電子識別アカウントは、企業自身の「電子身分証明」とみなすことができるため、企業が保有する各種電子アカウント(例えば、企業のVNeIDアカウント、企業の電子署名、クラウドストレージアカウント等)を明確に特定・一覧化し、その重要度および必要なセキュリティレベルに応じて分類する必要がある。
    ・企業の電子識別アカウントの管理権限および利用権限については、以下のように複数のレベルに分けて規定することが望ましい。

    (i) レベル1-包括的な管理・利用権限

    企業の電子識別アカウントは、法的および技術的な観点から、VNeIDアプリ上において法定代表者のレベル2個人電子識別アカウントと連携している。そのため、当該アカウントは企業が所有し、法定代表者がその管理について全面的な権限を有する。
    企業に複数の法定代表者がいる場合には、情報管理の窓口を一本化するため、1名の法定代表者が企業の電子識別アカウントを管理することを定款に定めることが望ましい。また、法定代表者を変更する際には、アカウントの引継ぎについて記録するため、引継書を作成することが望ましい。

    (ii) レベル2-日常的な利用者

    法定代表者(通常は取締役会会長、社長、総社長等)が、すべての電子行政手続きを自ら直接行うことを求めることは、実務上困難である。法定代表者は通常、企業のその他の事業活動に関する管理職も兼任しているためである。
    そのため、法定代表者は、VNeIDアプリ上で会計主任をメンバーとして権限付与し、会計主任本人の電子識別アカウントを使用して、企業の通常の取引・手続きをVNeID上で実施できるようにすることが望ましい。ただし、当該取引を実施する前に、OTPまたはその他の認証方法を通じて法定代表者による確認・承認を受ける必要がある。
    また、日常的な利用については、利用履歴を十分に記録・保存し、企業の法務担当者または内部統制担当者による社内監督を行うとともに、トラブル発生時の対応手順を整備する必要がある。
    さらに、法定代表者が解任または免任された場合には、その時点から24~48時間以内に、すべてのアクセス権限を引き渡し、組織の電子識別アカウントの引継ぎ手続きに協力することを義務付ける条項を設ける必要がある。
    電子アカウントの分類、管理および利用に関する社内規程を策定することにより、企業は事業活動の過程で発生する法的リスクおよび紛争を軽減することができる。また、明確な規程を設けることにより、企業活動の透明性を高めるとともに、従業員が実務上適切に運用するための環境を整備することができる。

    3.3 企業内に適用する個人データ保護規程の策定

    ・電子アカウントに関する社内規程の策定に加え、企業は個人データ保護に関する規程も策定する必要がある。上記第III部第1項に記載したとおり、企業の電子識別アカウントは、法定代表者のレベル2個人電子識別アカウントと連携しており、また、日常的な利用については会計主任に権限を付与する場合があるためである。
    ・関連する規程および手続きの運用において、企業が法定代表者および会計主任の個人データを収集する可能性があるため、2025年個人データ保護法の規定を遵守する必要がある。電子識別の過程において個人データ保護に関する規定を適切に実施するため、企業は2025年個人データ保護法および政令356/2025/NĐ-CPの規定を参照する必

    4. 結論

    現在の電子識別システムが企業に与える影響は、単に公共サービスポータルへのログイン方法が技術的に変更されるということにとどまらない。これは、企業に対する国家管理の考え方および企業自身の内部管理のあり方における根本的な変化であり、紙媒体の書類による管理からデータに基づく管理へ移行することにより、手続きの迅速化、正確性の向上および管理・監督の容易化を図るものである。
    2023年身分証明法、政令69/2024/NĐ-CP、2020年企業法(2025年改正・補足)、政令168/2025/NĐ-CP、2019年税務管理法、政令125/2020/NĐ-CP、2024年社会保険法、政令12/2022/NĐ-CP、2025年個人データ保護法および政令356/2025/NĐ-CP等の法的枠組みにおける各法令の連携がますます強化されることにより、比較的包括的な管理体制が構築されている。企業が電子アカウントの管理、個人データの保護および適切かつ専門的な業務プロセスに関する社内規程を積極的に整備することにより、法的リスクを回避できるだけでなく、デジタル化が進む事業環境において競争上の優位性を確保することにもつながる。
     
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